「京のおともだち」クッキーが、京都のお土産屋さんの店頭に並ぶことになりました。
公開できない情報もありますが、自分自身の整理も含めて。。。

もう一年前の話しになります。
カスタ君クッキーの製造をお願いしている藤田製菓(京都市中京区)の職人社長から『植木さんが希望する形のクッキーを製造します』と驚きの言葉。

藤田製菓には、全国から観光地向けのクッキー製造依頼が届いているようだが、動物クッキーの製造に追われて、断っている職人社長の言葉とは思えない言葉でした。 



これまで、カスタ君クッキーを計画的に発注、製造の手伝い、顔出しなどから人とのつながり。。。それ以上に、カスタ君クッキーの収益でカンボジアに遊具を寄贈する活動に賛同して頂いたからかもしれない。

「京のおともだち」クッキー誕生の秘話、商品になるまでの苦労話しをお読み下さい。


▼デザイン指示で失敗

毎年5千万人以上が入洛すると言われる、日本一の観光都市の京都でありながら、京都をイメージできる“形”のお菓子は皆無であり、ビジネスとしての可能性を感じていました。

早速、デザイナーに指示しました。
?舞妓さんは、絶対後ろ姿。 ?後ろ姿つながりで小野小町。 男バージョンとして?新撰組。と?牛若丸の四種類にしました。

出来上がったデザインは想像以上だったので、直ぐに藤田製菓に持ち込みました。


それから、数ヵ月後。。。
藤田製菓に行き確認すると、型の図面が出来ていなく、型屋に手配が出来ていないことがわかりました。
更に、数ヵ月後。。。
状況は変わっていませんでした。

この段階で、大きなミスに気がつきました。
職人さんなので、少しでも原図に近いクッキーを作ろうとして、前に進んでいなかったのです。
私は、デザインを忠実にクッキーに再現することは不可能と思っていたのですが、職人は原画に近づけようと努力していたのです。
更に、デザインを印刷したサイズは、クッキーサイズではなかったため、縮小作業で時間がかかっていたのです。

こんな簡単な二つのことを注意していれば、もっと早くリリース出来ていたと思います。

現に、5番目のデザインは、原画を渡してから直ぐに藤田製菓の手を離れ、型屋に手配が行っています。
その5番目のクッキーは、京都=お寺をイメージして“小僧”を予定しています。
6番目は、何にするか思案中です。
京都の野菜シリーズも一案ですが、賀茂ナスはKBS京都のキャラクターですし・・・


▼お菓子プロのアドバイス

「京のおともだち」クッキーの完成を待ちながら、出会う人に『もうすぐ完成』と半ば嘘をつきながら、話しのネタとして、そして多くの方々からアイデアを頂きました。

昨年の秋、千趣会のお菓子カタログに採用されたとき、千趣会の関連企業のお菓子バイヤーの方と話す機会がありました。
その方は、全国のお菓子を見て、食べて、企業訪問されていました。

私の企画書を見たお菓子プロは『京都のお菓子に飽きた、特に若者向けの土産市場にあっている。一枚ごと選べるバラ売りをすれば、ヒットの予感がする。。。。』
『箱単位で配る土産ではなく、友人や職場に気楽に配る土産としては、最高。。。』


▼某上場企業の秘書の方

ある会で、私の企画を短時間ではあるがプレゼンする機会がありました。
その場で、某上場企業の秘書の方と会い、後日、話す機会がありました。
『長いことサラリーマンをやっていますが、当社の社長が人の考えないビジネスを言い出した時の驚き、その後の成功(詳細は書けません)が一回目。今回の企画は二度目の驚きです。他では考えられない視点と発想。そして、行動力に脱帽。。。』『クッキーの増産体制をどうするか考えていた方が。。。』


このお二人、業界プロと人生プロのお言葉を信じて、頑張ることにしました。


▼親会社からも

大日本スクリーン製造?は、画像(印刷)処理技術の展開で大きくなった企業です。そのため、印刷関連については多くの方々からアドバイスを頂きました。
カスタ君の歳時記カードを見た方からは『パッケージに歳時記を切り取れるように印刷して集める、仕掛けを考えたら。。。』


クッキーが出来るまで、パッケージを考えることにしましたが、形、デザイン、コストの壁が出てきました。勿論、私にとって初めての挑戦がスタートしたのです。


次回に続く


Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)