初めまして (株)カスタネットの植木です。

2年前に大日本スクリーン製造(株)の社内ベンチャー制度を利用して、オフィス用品の通販会社を立ち上げました。

社内ベンチャーで創業する場合、その会社に関連する事業か経験を生かせるものが通常ですが、私の様に未知の業界に参入したのは非常に珍しいと思います。
その経験談とは行かないまでも数回にわけて投稿致しますので、お楽しみに!

オフィス用品の通販は、アスクルなど大手資本による激戦区なのに大会社(一応上場企業)を辞め、そして「京都からアスクルをつぶす」と大胆な・・。
勉強会などではアスクルを成功事例としての題材も多く、私がアスクルをつぶすと発言するのは日本でたった一人かもしれません。


▼顔が見えない商売には限界がある

アスクルなど通販を利用しているのは、その利便性を優先しているのは言うまでもありません。
しかし、そこには人と人とが接する事はなく無機質な関係で他社のサービスが良ければ翌日から切り替わることもあり得ます。
当社が新規開拓で訪問した際にアスクルの箱が置いてあれば高確率で取引が出来ていますし、逆に文具店が出入りしている企業は苦戦します。
それは、IT技術が進歩すればするほど、人と人が接する仕事がより重要になって来ているからではないでしょうか。
いつの世でも、商売の基本は人ですね~。


▼アスクルは安いのか

たしかに特価品など安いものもありますが、カタログを見ながら電卓をたたいてみて下さい。
ちなみに当社は、文房具なら全品38%off以上です。


▼アスクルは社名で成功したと皆は言うけれど

明日に商品が来るからアスクル。
素晴らしいネーミングと皆が誉めていますが、大きな落とし穴が迫っているのです。それは翌日配達の定着です。
翌日配達が定着すればするほど発注ロットは小さくなっています。更に他社通販も使用する事により、送料負担がないギリギリ金額で発注されるケースが増えています。そうなると儲かるのは通販会社ではなく、宅配会社ですね。


▼商売の基本は代金回収

当たり前の事ですが、取引は売上代金を回収してこそ終わりです。
アスクルは代金回収を販売店に任していますのでリスクはありません。裏を返せば、その分販売店に利益が行くと言うことです。
そして、アスクル本体に不良債権はありませんが、販売店も入れたグループと見た時には膨大な金額になっていると思われます。
潰れる会社の殆どが通販を利用していると言っても過言ではないと思います。
だれでも、会社が傾いた時の代金支払いは通販会社が最後ですよね。


▼創業のキッカケは

大日本スクリーン製造(株)に社内ベンチャー制度が出来、ある日風呂に入っている時にその閃きがやってきました。
アスクルが飛躍する直前でしたが、パソコンも使えない町の文房具屋さんはもう生き残れない、通販では顧客の満足は得られないと思いました。
その中間がある!!

  ・アスクルはPLUSの子会社だから競合のコクヨ商品が扱えない。
  ・大手企業独自の“指定伝票(納品請求書)”に通販では対応出来ない。
  ・文房具屋さんでは顧客からのデータ発注に対応出来ない。
  ・企業内で使用しているオフィス用品は、文房具からOA商品になっている。

など現状の問題点が次ぎから次へと浮かび中間を狙う商売(京都では路地裏商売と言う)を思いついたのです。

まあ~。これが波瀾万丈の始まりでした。

▼アスクル様々です

二年が経ちどうなったかと言いますと…
企業の出入りしている文房具屋さんをアスクルなどの大手通販がどんどん潰して行ってくれています。その大手通販の後を行くと取引して頂く確率は高いのです。
それは、人の紹介を中心に顧客開拓をしているからかもしれませんが義理もない無機質関係の通販より、人とのネットワークが一番だと思います。
「アスクルをつぶす」と大きなことを言っていますが、結果的には「アスクルに助けられています」

社名について説明していませんでした「カスタネット」とはカスタマーとネットワーク(ITだけではなく、人と人とのネットワークも)で打てば響く様にと・・。

Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)