(株)カスタネットの植木です。

6月25日(金)京都新聞朝刊「取材ノートから」のコーナーに
ボランティアとビジネスが融合したビジネスモデルの記事が大きく掲載され、大反響中です。


▼ メディア戦略、上級編

メディアに登場する回数が増えてくると、そのネタ毎にどの新聞に掲載されるのが良いのか考える必要があります。
つまり、直接的成果を狙うのか間接的成果を狙うのかでは、掲載される新聞によって大きな違いが生まれます。
また、どの紙面(記事の種類)を狙うのかで、プレス発表の原稿が変わります。

今回は、商品・サービス・社会貢献などの具体的項目ではなく、
当社の創業から現在までの経過がニュースになる様に挑戦しました。
それも、地元の京都新聞で。


▼ インタビューの答えを用意

記事の中には“山”が必要です。記者さんが知っていることは、山には成り得ません。
山を用意してインタビューに臨む必要があります。
勿論、その内容は、将来メディア戦略で使用するネタです。
(ネタを小出しするイメージです)


今回の山は。。。。

『前文省略・・今後は社内に社会貢献室を設置し、同国での小児科病棟の建設も視野に入れる・・後文省略』

みなさん、どうですか?

多くの方から電話、メールを頂きましたが、何と全員が。。。
「次は、小児科病棟ですか」と感想を頂きました。

               大成功でした!


▼ 京都新聞掲載記事をお読み下さい。(長文です)

 ボランティアビジネス軌道に
 〔カンボジアの校舎建設支援〕

半導体製造装置メーカーの社員が社内ベンチャーで起業したオフィス用品販売のカスタネット(京都市南区)。
そのボランティアビジネスが軌道に乗り始めた。
コピー機のリサイクルトナーの販売益を財源にしたカンボジアでの校舎建設が先月に着工。
販売活動と社会貢献を融合させた新ビジネスモデルの成功例として注目を集めている。


 費用はリサイクルで

同社のリサイクルトナー事業は、子供の学習状況が良好でないカンボジアへの社会貢献活動の一環。
産業廃棄物となるコピー機のトナーを無料で回収し、リサイクル業者に売却。
その売却益を老朽化した校舎の建設費に充てる事業を昨年九月から始めた。

校舎を建設するのは首都プノンペン北方のトレア村のトレア小。
十月に完成予定で「まだ目標の三百五十万円には足りないが、校舎が崩壊寸前でトレア村挙げての要望が届いたため、先を見越して着工する」(植木力社長)という。

同社は。二〇〇一年に大日本スクリーン製造の社内ベンチャーとして起業。
当初は商品販売だけに取り組み、初年度は赤字スタートだったが、〇二年、植木社長が異業種交流会で海外ボランティアに取り組む団体知り合ったことが、業績好転の転機となった。

文房具が不足するカンボジアの学校の状況を聞き、取引先で不要になったボールペンや鉛筆など文房具の回収を始めた。
国際開発救援財団(FIDR)を通じて寄付し、送料をまかなうためにトナーリサイクル事業も開始。
植木社長は昨年三月、文具の利用状況を確めるため、トレア村を視察した。
そこで老朽化が激しい校舎を見て、校舎建設にも取り組むことにした。


 社会貢献で会社PR

同社自体はボランティアをすることで損するわけではない。
使用済みトナーを売却したリサイクル先の業者から、再び戻ってきたトナーをまた取引先に売却して利益をあげる。
身近な文房具やトナーが社会貢献につながるため、取引先は「同じ商品ならボランティアにつながる商品を」と購買意欲も出る。
環境やコスト面にも役立つ仕組みで、社会貢献活動が同社の最大のPR効果となった。

社会貢献活動を始めてから同社の知名度は一気に高まった。
取引先は全国で二千五百社まで広がり、リサイクルトナーの売上高は月五百万円に上る。
創業三期目となる0三年十二月の売上高は三億五千万円になり、初の黒字転換。
本年度は売上高五億円の大台を目指し、あと二年で累損を解消する計画だ。


 民間企業成果に期待

「ボランティアとビジネスの融合」。
創業の都・京都の民間企業から生まれつつある新たなビジネスモデルの成果が、いよいよカンボジアでの校舎という具体的な形となる。
植木社長は「まったく経験のない中で苦労したが、今後の励みになる。
社会貢献が競合他社と違う付加価値になることが分かった」と振り返り、今後は社内に社会貢献室を設置し、同国での小児科病棟の建設も視野に入れる。

ボランティア活動に詳しい、NPO法人(特定非営利活動法人)日本サスティナブルコミュニティセンター(京都市中京区)の浅野令子事務局長は、「企業が真剣に『いい事』に取り組んでいるか否かに、客は敏感に反応する。
社会貢献をビジネスモデルの一部として取り入れる企業には、カスタネットを参考に、ぜひ『本物』を目指してほしい」と期待を寄せている。

掲載された写真の説明:寄付された文房具でカスタネットの植木社長へメッセージを書くカンボジアの子供たち(カンボジア・トレア小)


▼ 素晴らしい、記事でした。

私を知らない人がこの記事を読まれたら、『いい人、植木さん』のイメージが脳裏に残ったと思います。
地元、京都新聞でもあり、後々の営業活動や信用に役立つものと思います。

社会報道部の仲屋記者さん、ありがとうございました。


Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)