株式会社カスタネットの植木です。
会社の姿(イメージ)を世間に伝えることは、ベンチャー企業にとって大変難しく、しかも会社の明暗をわける程の重要事項であると思います。
▼ アスクルのイメージが失敗
創業当初、会社の事業内容を説明する際「オフィス用品なら何でも扱っている・・・」と言っても相手に伝わらないので『京都初(発)のアスクルを目指す』の言葉を前面に出して顧客開拓をしていました。
そのイメージが企業に受け入れられたのか、新規取引が順調に推移して行き、京都のベンチャー企業がアスクルを追うイメージで出来上がりつつありました。
しかし、イメージ戦略の成功と失敗は紙一重であることがわかったのです。
それは、新規取引が増えても何故か注文は文房具ばかり、文房具屋さんを目指したのではなく、オフィス用品の総合販売会社なのに!
オフィス家具も事務機器もコンピューター関連商品もトナーカートリッジもこんなに幅広く、しかも安いのに何故!
原因がわかるまでそう時間はかかりませんでした。
金額が安い文房具や日用雑貨はアスクルで買っていても、高価な商品はアスクルから買っていなかったのです。
つまり、文房具屋さん→アスクル→当社と変わっても、発注するものに変わりはありませんでした。
アスクルとは違う事を知って頂く、長い戦いが始まったのです。
▼ 文房具屋さんが扱っていない特価品を探せ
当社が文房具屋さんではない事を知ってもらうには、文房具屋さんが扱っていない商品を激安価格で販売(PR)することであると考えました。
商品の候補は創業準備で調べたものから何点か選定しましたが、問題なのは激安販売に見合う仕入れ価格と目に見えない価格統制をどうくぐり抜けるかです。
しかも、実績のない会社ですので過去のボリュームとか資金面でまとめ発注は出来ません!
在庫を持たず、発注単位=1で激安販売可能商品?普通ならこの段階で諦めると思いますが、必死だったのか諦めませんでした。
ところで、創業から現在も目に見えない価格統制をすり抜けていますが、この裏話しは書けないですね~。
今以上に夜道を歩けなくなります!(真剣な話)
▼ その閃きは、蛍光灯
蛍光灯が行ける! オフィスで大量消費している40Wの直管タイプは、どの会社も安値販売をしておらず、定価販売している会社も少なくないこと、更にメーカーからの販売ルートが二つあることを知ったのです。
それは、家電販売ルートと工具販売ルートです。
価格統制で商品の供給に問題が出ない様に、統制の弱い工具ルートからメーカーまでも巻き込んだ根回しを慎重に進めて行きました。
そして、交渉の結果は当社の希望する購入条件が全て受け入れられたのです。
社員も驚く好条件に持ち込めたのは、情報をもとでの交渉でした。
どこに行っても首が痛くなるほど天井の蛍光灯を調べましたね。
この時、マーケーティングの大切さを感じました。
(蛍光灯からその企業が見える様にもなりましたね)
交渉の戦術は、情報だけではなく人と人との繋がりも大切です。
こんな小さな会社のためにメーカー上層部、販売ルートなどに根回しして頂いた方々のお陰と思います。
販売を開始すると予想以上の反響で、それは販売店からメーカーへの苦情と初めて聞くカスタネットの社名に電気屋さんなどの販売店は驚いたそうです。
結果は、瞬間的に西日本で一番の販売を行うことが出来ました。
▼ 工具の通販開始の裏話
先の蛍光灯の販売を通じ、工具通販がイメージを変えられると確信しました。
工具販売は、ドリルやペンチなどの町工場向けが主ではなく、事務所で使用する台車や清掃道具、安全衛生用品などに大きな市場があると判断しており、事業の柱にもなると思っていました。
ある日そのチャンスがやってきました。
文具メーカーK社が工具の通販を検討していたが、取りやめになった情報を入手したのです。
偶然は続くものでその数日後、今度は工具販売(卸し)会社T社のトップとお会いすることが出来、その会社が不成立に終わった文具メーカーと交渉をしていたことが分かったのです。
T社は通販会社と提携を希望しながらも、卸しが主体のため既存販売ルートの関係上出来なかったと聞き、私の熱弁(詐欺師の話)が始まりました。
『間違いなく京都で文房具も工具販売も生き残れるのはカスタネットしかありえません!新しい発想で走っている会社に夢を掛けてみませんか!・・と』
その後の準備は、事業の神様が敷いて頂いたレールを快走に走り、事業を開始出来ました。
工具の通販を行っている会社自体が少なく、まして文房具の販売会社が工具まで広げたのは全国で初めてでした。
通販開始にあたり記者発表を行いましたが、保守的な工具業界ではそれ自体が異常だったり、記者発表の当日、T社は販売店からの問い合わせ対応マニュアルを作成したり、業界内は掲載された新聞コピーが出回り大騒ぎだった様です。
▼ 工具通販がついにイメージを変えた
工具通販はこれからのビジネスモデルと信じながらも、不安を抱きながらカタログ配りに力を入れていました。
すると、工具以上にオフィス用品全般の問い合わせが入る様になり、文房具以外の売上が急に上がり始めたのです。
創業3年目を迎える昨年の年末でした・・。
工具通販が文房具屋さん、アスクルのイメージからの脱却に成功した瞬間です。
そして今年は、工具通販をPRするため『阪神タイガースのトラ台車』をタイミング良く発売し、イメージの定着を狙っています。
(工具業界内、忘れかけた頃のニュースだった為、再度大騒ぎでした)
会社の姿(イメージ)を世間に伝えることは、ベンチャー企業にとって大変難しく、しかも会社の明暗をわける程の重要事項であると思います。
▼ アスクルのイメージが失敗
創業当初、会社の事業内容を説明する際「オフィス用品なら何でも扱っている・・・」と言っても相手に伝わらないので『京都初(発)のアスクルを目指す』の言葉を前面に出して顧客開拓をしていました。
そのイメージが企業に受け入れられたのか、新規取引が順調に推移して行き、京都のベンチャー企業がアスクルを追うイメージで出来上がりつつありました。
しかし、イメージ戦略の成功と失敗は紙一重であることがわかったのです。
それは、新規取引が増えても何故か注文は文房具ばかり、文房具屋さんを目指したのではなく、オフィス用品の総合販売会社なのに!
オフィス家具も事務機器もコンピューター関連商品もトナーカートリッジもこんなに幅広く、しかも安いのに何故!
原因がわかるまでそう時間はかかりませんでした。
金額が安い文房具や日用雑貨はアスクルで買っていても、高価な商品はアスクルから買っていなかったのです。
つまり、文房具屋さん→アスクル→当社と変わっても、発注するものに変わりはありませんでした。
アスクルとは違う事を知って頂く、長い戦いが始まったのです。
▼ 文房具屋さんが扱っていない特価品を探せ
当社が文房具屋さんではない事を知ってもらうには、文房具屋さんが扱っていない商品を激安価格で販売(PR)することであると考えました。
商品の候補は創業準備で調べたものから何点か選定しましたが、問題なのは激安販売に見合う仕入れ価格と目に見えない価格統制をどうくぐり抜けるかです。
しかも、実績のない会社ですので過去のボリュームとか資金面でまとめ発注は出来ません!
在庫を持たず、発注単位=1で激安販売可能商品?普通ならこの段階で諦めると思いますが、必死だったのか諦めませんでした。
ところで、創業から現在も目に見えない価格統制をすり抜けていますが、この裏話しは書けないですね~。
今以上に夜道を歩けなくなります!(真剣な話)
▼ その閃きは、蛍光灯
蛍光灯が行ける! オフィスで大量消費している40Wの直管タイプは、どの会社も安値販売をしておらず、定価販売している会社も少なくないこと、更にメーカーからの販売ルートが二つあることを知ったのです。
それは、家電販売ルートと工具販売ルートです。
価格統制で商品の供給に問題が出ない様に、統制の弱い工具ルートからメーカーまでも巻き込んだ根回しを慎重に進めて行きました。
そして、交渉の結果は当社の希望する購入条件が全て受け入れられたのです。
社員も驚く好条件に持ち込めたのは、情報をもとでの交渉でした。
どこに行っても首が痛くなるほど天井の蛍光灯を調べましたね。
この時、マーケーティングの大切さを感じました。
(蛍光灯からその企業が見える様にもなりましたね)
交渉の戦術は、情報だけではなく人と人との繋がりも大切です。
こんな小さな会社のためにメーカー上層部、販売ルートなどに根回しして頂いた方々のお陰と思います。
販売を開始すると予想以上の反響で、それは販売店からメーカーへの苦情と初めて聞くカスタネットの社名に電気屋さんなどの販売店は驚いたそうです。
結果は、瞬間的に西日本で一番の販売を行うことが出来ました。
▼ 工具の通販開始の裏話
先の蛍光灯の販売を通じ、工具通販がイメージを変えられると確信しました。
工具販売は、ドリルやペンチなどの町工場向けが主ではなく、事務所で使用する台車や清掃道具、安全衛生用品などに大きな市場があると判断しており、事業の柱にもなると思っていました。
ある日そのチャンスがやってきました。
文具メーカーK社が工具の通販を検討していたが、取りやめになった情報を入手したのです。
偶然は続くものでその数日後、今度は工具販売(卸し)会社T社のトップとお会いすることが出来、その会社が不成立に終わった文具メーカーと交渉をしていたことが分かったのです。
T社は通販会社と提携を希望しながらも、卸しが主体のため既存販売ルートの関係上出来なかったと聞き、私の熱弁(詐欺師の話)が始まりました。
『間違いなく京都で文房具も工具販売も生き残れるのはカスタネットしかありえません!新しい発想で走っている会社に夢を掛けてみませんか!・・と』
その後の準備は、事業の神様が敷いて頂いたレールを快走に走り、事業を開始出来ました。
工具の通販を行っている会社自体が少なく、まして文房具の販売会社が工具まで広げたのは全国で初めてでした。
通販開始にあたり記者発表を行いましたが、保守的な工具業界ではそれ自体が異常だったり、記者発表の当日、T社は販売店からの問い合わせ対応マニュアルを作成したり、業界内は掲載された新聞コピーが出回り大騒ぎだった様です。
▼ 工具通販がついにイメージを変えた
工具通販はこれからのビジネスモデルと信じながらも、不安を抱きながらカタログ配りに力を入れていました。
すると、工具以上にオフィス用品全般の問い合わせが入る様になり、文房具以外の売上が急に上がり始めたのです。
創業3年目を迎える昨年の年末でした・・。
工具通販が文房具屋さん、アスクルのイメージからの脱却に成功した瞬間です。
そして今年は、工具通販をPRするため『阪神タイガースのトラ台車』をタイミング良く発売し、イメージの定着を狙っています。
(工具業界内、忘れかけた頃のニュースだった為、再度大騒ぎでした)
Written by 植木 力 (株式会社カスタネット 代表取締役)