2003年07月

株式会社カスタネットの植木です。

事業をしていると、偶然が重なることがあって何か見えない力か何かを感じる事がありますね。
皆さんはそんな経験ありますか?


▼宣伝の神様との出会い

 それは、創業して一年がたった昨年の3月のことでした・・・。
大日本スクリーン製造の広報室に行き、創業時に新聞に掲載され、営業活動に役にたったので、再度新聞掲載の可能性について相談していました。
ニュースとはその名の通り、新商品、新サービスなどで新しいものが無いとニュースにならないことを再認識出来ました。

 相談した内容に新しいものはなく「考えて出直します!」と元気に言ったものの肩を落として、その部屋から早く出ようとしていました。
その時に何を思ったのか、急にカンボジア小学校に文房具寄贈することを思い出して、出口に一番近い女性に『そうそう、今度中古文房具を集めてカンボジアの小学校に送ること考えているので協力をお願いしますね』と話した瞬間。
それ!それ!それがニュースだ!と広報室の室長が叫びました。

 私は、今から活動をしようと思っているので、これはニュースにならないと言い返すと・・・。 
だからニュースだ!寄贈するなどの実行後ではニュースにならない。
大日本スクリーンとして10年に一度のビッグニュースだ! 記者発表はいつする? ニュースリリースは誰が作成する? 
後日、記者発表のために初めて行った記者クラブ・・・。
全て夢の中にいる様でしたね。結果は、新聞各紙に掲載されました。

 その数日後、有限会社ブルームの松尾様にお会いすると「やったね!」と言われましたが、私には何のことやら・・・。
「文具をカンボジアのネタは素晴らしい。私もプロモーションの仕事をしているが、過去にない!このネタは長続き出来るニュースだ。小出しに」

 大日本スクリーンの広報室も松尾様も‘プロ’の視点は違いますね。
とにかく、神様の教え通りに実行すると、テレビ、ラジオ、新聞などに取り上げられました。

当社ホームページの新聞掲載欄をご覧下さい。
http://www.castanet.co.jp/


▼当社の社員には、この神様が見えない

 創業時に閃いた同じ感触がやって来て、次から次ぎへとアイデアが生まれ、それを実行出来る人との出会いも多数あり、それは見えない力のお陰だったかもしれません。

 しかし、社内では赤字の会社がボランティア・・。
うちの社長は新聞に掲載された事をあちこちで自慢話しをしている・・厳しい社内の空気でしたね。
それもそのはず、会社の業績も一番苦しい時でしたし、赤字の中小企業がボランティアをすると言う方が、正気の沙汰ではありませんからね。
とにかく、湧き出るアイデアとあの感触を味わいながら、次から次へと実行して行きました。見えない感触(感の世界)の事を伝えるのは難しいです。


▼ボランティアをする方ではなく、受ける立場ではないか

 会社の業績から見ると、ボランティアを受ける立場でないか!と色々な方から心配の電話を頂きました。
「カンボジアに何度も行って、会社は大丈夫か?」『え!私、カンボジアには一度も行っていませんよ~』

 知人達が間違った理由がわかりました。頻繁に新聞の紙面などにカンボジアの写真と私の写真が掲載されるたりすると、何回も行ったものと勘違いしていたのです。メディアの力はすごい!

 以前に小泉総理が言っていました。一度だけのキャッチボールがTVで繰り返し放映されると毎日キャッチボールしていると勘違いされる・・・。
つまり、事業を行う上で、メディア戦略・イメージ戦略は非常に重要である事がわかりました。

 戦略の構築は、お金を出してもプロから指導してもらう方が良いと思いました。
先に紹介しました松尾様もこのメルマガに投稿しておられますので、プロモーションの重要性についての説明はプロの方にお任せします。


▼ボランティア活動をしていると事業の神様がやってきた

 人との出会いからはじめたカンボジアへ中古文房具の寄贈活動、文房具が全国から山の様に送られてきて、あまりの多さに驚き、カンボジアまでの送料確保で悩みました。
すると‘使用済みトナーカートリッジ’買い取って頂く企業の社長と出会い、文房具を送付する財源となったのです。

 つまり、中古文房具と使用済みトナーカートリッジを回収するボランティア活動を行っていました。
そうすると、数ヶ月目あたりからトナーカートリッジの売上が伸びていくではありませんか!
 新しいビジネスモデルを発見! 社会貢献とビジネスを融合し、地球環境にも良く、これこそがこれからのビジネスモデルと思い、京都発『21世紀型ビジネスモデル』と命名しました。


▼社長様の顔を知っています

 ある日の事、営業が新規訪問した企業で「おたくの社長様の顔を知っている」と言われ、内容を聞くと新聞やテレビで何回も見ると覚えたとの事・・・。
さすがに、当社の社員もこれにはビックリ! 
更に、ある会社の女子社員の方で(年齢は怖くて聞いていませんが)私のファンがおられるとの事・・。
世間では、「いい人植木さん」に映っているらしい・・・。
(社員などは、詐欺師の社長と呼びますが・・・)


▼日本人も捨てたものではない

 当社が販売しているオフィス用品は、どこから買っても同じ商品、納期も翌日配達・・・。 
どうせ買うなら‘社会貢献している会社’から購入すると言って頂ける企業様が意外と多いのには驚きました。
更に、知らない方が‘ベンチャー企業がボランティアを行っている’と当社を宣伝して頂いているみたいです。

 顔も名前も知らないカスタネット応援団の方々に御礼申し上げます。
社員もやっと、事業の神様が当社に来てくれた事を理解してくれました。

Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)


(株)カスタネットの植木です。

今回は、予告とは内容を変えて創業時の苦労話しを少しお伝えします。
(創業された方は同じ経験された方も多いと思いますが)


▼ たった1ヵ月で創業

強引に社内審査は通したもの、創業時に社員の身分はおかしい…
ここが、出向型の社内ベンチャーとは違い、早期に退職しなければならなかったのです。
その3月に大日本スクリーン製造(株)の彦根事業所に新しい工場が出来て、そこに必要なオフィス家具の注文を頂きました。
つまり、2月に創業しないとご祝儀の受注に間に合わない!
結果は、2001年2月3日に創業しましたがそれは審査が合格してから2ヵ月退職してからは1ヵ月後でした。
数千万の売上が創業2ヵ月目に達成できましたが、後でこれが痛手と…


▼ 強みと弱みは紙一重

創業時に日本経済新聞、京都新聞などのメディアに大きく取り上げられ、新規の顧客開拓、特に大日本スクリーン関連は簡単に出来ました。
アポ率100%、取引開始率80%の驚異のスタートでした。
中には、取引を希望されて資料を取りに来られる企業様が数えられないほどありました。
顧客はドンドン増える、新工場の受注物件もある・・
世間から見ると言う事ない状態でしたが、裏を返せば社内は大混乱でした。
見積書発行~発注~納期管理~出荷体制~売上~請求~入金確認などシステムは全くと言っていいほど、出来ていませんでした。
もっと言えば、受注した商品をどこに発注するのかわからないし、仕入れ先との話しも出来ていない状態でした。
今から思えば、あの力仕事を良くやれたものと思いますね。
しかし、苦労せずの受注が続くと、社内での勘違いが発生し始めました。
小さい会社を軽視する発言が出たり、コスト意識がなくなったり、これでは行けないと思いながら、日々増える受注に追われて手が打てませんでした。
更に、事務所が大日本スクリーンの子会社が入っているビルの中にいるため、自分達も身分を保証された社員と勘違いが始まったのです。


▼ 勘違い解消まで長い月日

新規顧客が増え忙しい=儲かっている=安心・・と勘違いが続きました。
一年近くたった12月のボーナスが出せなかったことで、勘違い解消がスタート出来ました。
大日本スクリーンの子会社の様に数ヶ月のボーナスを期待していた人もいました。
その頃から、社員に会社の業績を出来るだけ多く伝える様にしました。
会社の将来を悲観して、去って行く社員もいましたが・・
やっと、商売って甘くない、お客様は神様の言葉がわかり始めたのです。


▼ なぜ利益が出ない

新規顧客が増える、でも利益が出ない。
社内では、日々の業務処理が追いつかないので、人を採用する。
営業では、顧客紹介や引き合いが入って来るので、人を採用する。
採用した人が力を発揮しないので、人を採用する。
人の悪循環から累積赤字が膨らんで行きました。


▼ 人は採用しない

去っていく社員がいても補充採用を辞めました。
正しく言えば、1%でも気になるところがある人は新規採用しない事にしました。
仕事に慣れて来たこともあると思うのですが、少ない人員でも仕事は廻るものです。

そんなことを繰り返しながら、悪戦苦闘をしていると…

ある日、事業の神様がやってきました!
次回は、その神様をご紹介します。

Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)


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