久し振りです。

病気していたのではなく、忙しさから後回しになっていました。
その一つが、『ソーシャルバスケットのキフト(寄付+ギフト)』の開設準備でした。

その誕生物語を皆さんに。。。

ソーシャルな時代到来 
『ソーシャルバスケットのキフト(寄付+ギフト)』誕生物語
http://social-basket.com/


ソーシャルな時代の到来を予感したり、ソーシャルと言う言葉を使い始めたのは、日本の経営者の中では一番とは言わないが、相当早かったのではないかと思います。

それは、2005年10月に発足した、「京都ソーシャル・アントレプレーナー・ネットワーク。略称はKSEN」http://www.ksen.biz/ の副会長として参画し、多くの活動の中から得たものである。

日本の多くの経営者は、NPO、学生、起業を目指す人との出会いが少なく、ある種偏った情報で企業経営を行っている感があると言っても過言ではないと思います。

他の経営者と同じように日本経済新聞などの情報だけでは、他と異なる発想もアイデアも生まれて来ません。そう言う意味では、私にとってKSENは、発想の源になっているのかもしれません。

そのKSENと関わっているうちに、ソーシャルビジネスの言葉を知り、その言葉があたり前の様に使われるのが近いのではないかと思いました。
ソーシャルビジネスだけではなく、ソーシャル〇〇が一つの流行語になるのではないかと思ったのです。


□ソーシャルバスケットの商標登録

今の日本は、欧米のような寄付に対する免税・減税措置がない(複雑すぎる)ためか、寄付行為やボランティア活動は、経済的時間的な余裕のある人たちがするもの、という誤解や先入観がいまだに色濃く残っているように思えてなりません。

寄付や商品購入が“福祉のために”悪用され、収益がどこに、何にしようされているかがはっきりしないものが少なくなく、福祉が隠れ蓑となり、心ない人の懐にお金が入っている現実があって、それらを見た人たちは、どうしても無関心層に移ってしまう。

言い換えれば、それを理由にして、福祉に対する無関心層に入っているようにも思えて仕方がないのです。

無関心層に入らないようにする仕組み、言い訳が出来ない仕組みはないのかと考えるうちに一つのことを思いつきました。

それは、商品を販売する際に通常価格と寄付金上乗せ価格の二種類を設定し、上乗せ価格の方を購入するとその同額をカスタネットも寄付をする仕組みである。
通常価格で購入すると寄付は発生しないが、上乗せ価格で購入すると、購入者と販売者が連携して寄付を行うのである。

まさしく、ソーシャルな買物として『ソーシャルバスケット』の言葉を思いつきました。
しかし、この仕組みでは特許は難しいと思い商標登録を確認したところ、登録されておらず手続きに入りました。


□ソーシャルビジネスの風が吹かない

ソーシャルバスケットの考えたを試す意味でも、当社が開発した「京のおともだちクッキー」をソーシャルバスケットの売り方で販売することを決めました。

しかし、反応が悪い。世間でもソーシャルビジネスの言葉は全く聞こえて来ません。
ソーシャルバスケットの売り方でクッキーが余り売れなかったのは、本業が忙しく、そこまで手がまわらなかったのも事実である。

しかし、諦めたのではなく、携帯サイトを構築、QRコードの活用など模索を始めていました。
ソーシャルバスケットは広まらないが、錦市場などの店舗では、着実に売上が増えつつあります。

使用済の点字用紙をクッキーのセット販売用の袋として活用を始めたところ、新聞、テレビなどでも紹介され、大きな広がりが生まれています。
京都ライトハウスhttp://www.kyoto-lighthouse.or.jp/index.html では、製作が追いつかないほど注文が入っていると聞いています。

使用済の点字用事が大量に余って困っていることを知ったのも、KSENの活動の中からです。

クッキーの製造は、クッキー職人の会社でお願いしていますが、パッケージへの封入作業は、障がい者施設でお願いし、使用済の点字用紙を活用し、クッキー販売収益の一部でカンボジアに遊具を寄贈するなど、この「京のおともだちクッキー」の全てがソーシャルビジネスと言っても過言ではありません。


□業績の落ち込みがチャンスに

2009年電話が鳴らない。電話の故障かと思うほど、電話の本数が急激に減りました。

リーマンショックの影響は、当社も例外ではありませんでした。

創業二年間は苦労したものの、その後は順調に右肩上がりに業績も推移しており、これからと言う矢先の出来事でした。

ここで、思い出したのが松下幸之助の言葉。
高校生の時に教科書を読まず、PHP研究所からの本に小遣いを使っていた、ちょっと(大きく)変わっていた高校生生活の記憶がよみがえりました。

「5年に一度小さな落ち込み、10年に一度大きな落ち込みがあった方が経営者にも従業員にもその方が良い」と松下幸之助の言葉です。

創業以来、大幅な業務処理の見直し、業務改善を行なっていなかったので、この機会に行うことにしました。更に、赤字になることが確定した段階で、コンピュータのハード、ソフトにお金をかけることにしました。日本中の企業が赤字決算となる中で当社も赤字になる、それなら赤字額を増やしても各種手順の見直し、景気が戻ったときに人員を増やさず処理をできる体制を構築することに全力を注ぎました。

そして、創業時の初心に立ち戻り、当社の“強み”と“弱み”の分析に入ったのです。
社会貢献活動から多くの支援者がいること、文房具から工具まで競合他社では扱えない幅広い商品を扱っていること。反面、法人向けの販売しか出来ていないなど、強みも弱みも多くの項目をあげることが出来ました。

その中の一つが、『ソーシャルバスケット』でした。
そろそろ、一つの事業として何とかしたい。頭の中にある一つの引き出しの中身を考え始めました。


次回に続きます。 http://social-basket.com/