テレビなどのメディアに取り上げられている商品、企業情報にはある種の連鎖を感じている人も少なくないと思います。
同じ話題をテレビ局の各局が、新ネタのように放送していますが、視聴者からすると新鮮味がないのである。
たしかに、全てのテレビ番組を見るのは録画をしていても不可能に近いので、新ネタと思う人の確率は高くなるから、新ネタの様に番組構成しても間違いではないのかもしれません。

では、どうすれば一つのネタをメディア戦略として、連鎖を生み出すことができるのか?連鎖が出来れば、これほど効果的な広告宣伝と言っても過言ではないと思います。



結果から言うと“これ!”と言うものはない。あれば、誰れしも苦労はしませんね。
ただ、何も考えず、何も行動をしなければ、100%連鎖は生まれません。
宝くじのように「買わなければ、当たらない」と同じなのがメディア戦略。

一枚でも二枚でも、まず買うことから。。。


▼偶然から生まれたテレビ連鎖

知人の紹介で、「京こま」の伝統工芸職人がカスタ君の町家に来られました。
400年程の伝統工芸が、その職人の親が最後の一人で20年程前に廃業されたが、数年前に脱サラをして、伝統工芸を復活されたとのこと。
知人からは、頑張っている人を応援したい。メディアを使って京こまを広く宣伝し、職人が生活できる収入を得られるように出来ないか。。。。

とりあえず、町家で話しを聞きました。
京こまに対しての想いに感動したのと、その京こまの素晴らしさには、驚きました。
“こま”と言えば、木かプラスチックと思っていましたが、「京こま」は、着物の布や紐を芯に巻き重ねて作るのです。
昔の人は凄い! 着物を最後の最後まで使用し、雑巾にしたり、遊び道具にも活用する。。物を大切にする日本文化が何百年と引き継がれていたのである。
しかし、この数十年で崩壊してしまった。
何とか、「京こま」伝統工芸職人を応援したい、知人が紹介した理由もわかりました。

とりあえず、資料を頂いてその場は終わりました。

数週間後。。。
町家勤務をしていると、京こま職人が来られて「カスタ君のこま」が完成!
こまだけではなく、携帯ストラップも。。。


その日の午後
KBS京都テレビ 京-bizの収録日。
担当のスタッフから『植木さん、おもしろいネタありませんか?』の質問に、午前の話しと“こま”を見せたところ、驚きと紹介してほしいとのこと!
KBS京都テレビは、幅広いネットワークと情報を持っていますが、「京こま」の存在について知らなかった様子でした。

町家に名刺がなかったので、翌日、名刺と資料をKBS京都テレビ局に持ち込みました。
私が思う、取材切り口を箇条書きにして
・400年の伝統工芸
・父の代で途切れたものを脱サラして復活
・「京こま」は、着物から出来ている
・昔からの種類だけではなく、携帯ストラップなど現代にあった物も開発販売している
・病院のリハビリなどにも活用されている

どの項目も、メディアとして取り上げたくなる内容であり、カメラアングルも想像がつくネタであると思いました。
結果は、京-bizの特集として、翌週に取材され、テレビ放映されました。

紹介の知人からも喜ばれ、KBS京都テレビからも喜ばれ(非常に好評だったので、次のネタ紹介を頼まれています)、そして成りよりも頑張っている人からの感謝の言葉が一番嬉しいですね。


それから数週間後にビッグ連絡が入りました。
NHKからの収録依頼!
なんと全国放送です。 番組名は、美の壺(つぼ)
本日、21日に放送されます。

教育:毎週金曜日 22:00~22:25
再放送 BS 毎週木曜日18:25~18:50と毎週金曜日7:00~7:25
総合の再放送は、毎週土曜日5:15~5:40(近畿ブロックは編成が異なります)


▼連鎖が生まれる理由

各テレビ局の番組制作担当、番組企画会社は、ネタ探しに苦労をしていると思います。
表現は悪いが、ネタのパクリを行っているのではないか。
勿論、全てのパクリではなく、切り口をかえることにより新ネタとして誕生させているのである。

メディア戦略として、連鎖を起こさす高度な技、それは視聴者が驚いたり、感銘を覚える番組になる原石のネタの提供につきるのかもしれない。

KBS京都では、更に連鎖が生まれました。
9月1日より、KBS京都、FM京都、京セラコミュニケーションシステムの3社の共同運営による京都の逸品と京都の本を紹介するWEBサイト「京都生活」がオープンしました。
http://www.kyotodays.jp/pc/index.php  ここに「京こま」が出店されています。
言葉で表現するのは難しいですが、職人の想いがKBS京都のWEBサイトの担当者に伝わったものと確信しています。

連鎖と言えば、このWEBサイトをみて下さい。
撮影場所は、当社の町家。撮影協力としてリンクされています。


メディア戦略の連鎖は、人とのネットワークかもしれない。

『人脈の線上にメディア戦略あり・・・植木語録』



Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)