(株)カスタネット、植木です。

京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク」という会の副代表をやっています。
この会は、京都を中心とした社会起業家(ソーシャル・アントレ)のネットワークを構築し、いきいきとした活動をしている方々を応援する団体として、昨年2004年10月に発足しました。

具体的な活動として
・京都を中心とした「ソーシャル・アントレ」のネットワークの構築
・「ソーシャル・アントレ」の存在と意義についての理論及び事例研究
・「ソーシャル・アントレ」に対する人々の関心を高める啓蒙活動と人材の育成
・「ソーシャル・アントレ」と深く関係する「ソーシャル・ベンチャー」や「社会企業(ソーシャル・エンタープライズ)」の理論・活動・評価基準の標準化・社会監査等についての研究と提言
・内外を問わず、他の同様なネットワークとの連携
・上記に関る情報の発信やイベントの開催

ソーシャル・アントレとは
ソーシャル・アントレプレナーを短く言い換えたもので、社会起業家、社会的企業家と呼ぶ人もいます。
私がこの言葉を知ったのは、町田洋次氏との出会い、そして同氏の著書である「社会起業家」(PHP出版ISBN4-569-61360-8 )を読んだからである。


本を引用すると。。。
>社会起業家とは「医療、福祉、教育、環境、文化などの
>社会サービスを事業として行う人たち」である。
>マクロ公共政策と手厚い社会保障を柱とする従来型福祉
>国家に代わって、自立型福祉システムを構築し、社会を
>活性化する存在として、まずイギリスで注目された。
>今、日本でも、単なるボランティアとも、経済的利益
>だけを追求する起業家とも違う「社会起業家たち」が
>現れはじめた。。。。


▼社会起業家が活動する時代

社会起業家についての論評は数多くあるが、私の考えは・・・

最近、CSR 『"CSR"とはCorporate Social Responsibility の頭文字をとった表現で、日本語では「企業の社会的責任」と言われていて、一般的な定義は「企業が法律遵守にととまらず、企業が市民、地域、社会に貢献しながら、経済、環境・社会問題においてバランスのとれた活動を行うことにより、事業を成功させる」』

この言葉を使わない企業は、流行に乗り遅れるかのように言葉だけが氾濫している。
CSRのセミナーは、どこも満員御礼らしい。

ここで問題なのは、企業のCSR活動で本物とニセモノ。そして、灰色的なニセモノが混在しているのである。 
本物とは、その会社で出来る最大限の範囲内で人・物・金を提供し、その活動を通じ、従業員の意識が変わり、企業トップが指示だけではなく、率先垂範し、一過性ではなく継続している事と考えます。
大企業などは、最大限の範囲内と率先垂範を行わなく、少しの金と担当者に任すことが、CSRを実行していると思われている。間違った考えの経営者が少なくないのである。

それに、比べ中小企業、ベンチャー企業は、自分のビジネスを通じて社会も良くしたい。社会を良くするために、その理念を持ち続けて行動している企業が多いと言っても過言ではないと思う。

ただ、大企業の経営者も会社が小さい頃は、そんな理念もあったはずで、会社が大きくなった20世紀のどこかで、忘れてきたのではないかと思う。
それが21世紀になり、少しでも忘れ物に気づいたことは、喜ばしい現象かもしれないが。。。

大企業に、そして社会に、20世紀に大きな忘れ物をしてきた事を思い出さすには、社会起業家を育て、活躍することではないかと思っています。
(NPOの活動が広がることも、その一つであると思います)

京都から社会起業家の波を!と思い他メンバーも頑張っています。



川本さんのブログから
「京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク」代表の川本さんは、京都文教大学現代社会学科の教授であり、授業の一環で学生とともに来られ、ブログに書いて頂きましたので紹介します。


>12月6日、「現代社会実習」の時間に現代社会学科の
>2年生5人を連れて久しぶりに京都市南区の同社を訪れ、
>植木さんから話を伺いました。
>?螢?スタネットは創業して5年、従業員10名、売上げ
>4億5千万ほど、オフィス用品などの通信販売を扱って
>いる企業です。昨年11月2日日経産業新聞の「ニッポン
>のキラ星企業」欄で紹介されるなど度々新聞等で報道さ
>れています。
>その理由の1つに同社独自の社会貢献があります。
>特に、あるNGOと知り合ったのを契機にカンボジャの
>小学校への支援を始め、昨年にはとうとう3百5十万円
>の銀行借金をして新しい校舎の建設費を寄付しました。

>植木さんの場合、当初から社会貢献を考えていた訳では
>なく、結果としてそれが会社の知名度向上につながり、
>マーケティング戦略(ソーシャルマーケティング)として
>も活用されています。
>しかし、まだ創業赤字のある段階でここまで大きな貢献を
>して社会貢献室という組織まで作ってしまったのは立派な
>行動だと思います。

>「実習」の企業訪問では、学生たちから質問も出て、貴重
>な時間を過ごすことが出来ました。写真は最近発売したば
>かりの同社キャラクター商品「カスタ君クッキー」です。
>1袋140円の中から20円をカンボジャへの教育環境整備
>費用として寄付するとのことです。

>学生からは、「カスタ君一家のストーリーを考えたらどうか」
>という話も出て、サザエさん一家のような物語が将来生ま
>れてくるかもしれません。
>将来カスタ君がカンボジャの小学校を訪問するとか・・・。
>植木さん、会社経営にはいろいろご苦労もあるでしょうが
>引き続き頑張ってください。学生君への応対有り難うござ
>いました。


Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)