(株)カスタネットの植木です。

今回は、予告とは内容を変えて創業時の苦労話しを少しお伝えします。
(創業された方は同じ経験された方も多いと思いますが)


▼ たった1ヵ月で創業

強引に社内審査は通したもの、創業時に社員の身分はおかしい…
ここが、出向型の社内ベンチャーとは違い、早期に退職しなければならなかったのです。
その3月に大日本スクリーン製造(株)の彦根事業所に新しい工場が出来て、そこに必要なオフィス家具の注文を頂きました。
つまり、2月に創業しないとご祝儀の受注に間に合わない!
結果は、2001年2月3日に創業しましたがそれは審査が合格してから2ヵ月退職してからは1ヵ月後でした。
数千万の売上が創業2ヵ月目に達成できましたが、後でこれが痛手と…


▼ 強みと弱みは紙一重

創業時に日本経済新聞、京都新聞などのメディアに大きく取り上げられ、新規の顧客開拓、特に大日本スクリーン関連は簡単に出来ました。
アポ率100%、取引開始率80%の驚異のスタートでした。
中には、取引を希望されて資料を取りに来られる企業様が数えられないほどありました。
顧客はドンドン増える、新工場の受注物件もある・・
世間から見ると言う事ない状態でしたが、裏を返せば社内は大混乱でした。
見積書発行~発注~納期管理~出荷体制~売上~請求~入金確認などシステムは全くと言っていいほど、出来ていませんでした。
もっと言えば、受注した商品をどこに発注するのかわからないし、仕入れ先との話しも出来ていない状態でした。
今から思えば、あの力仕事を良くやれたものと思いますね。
しかし、苦労せずの受注が続くと、社内での勘違いが発生し始めました。
小さい会社を軽視する発言が出たり、コスト意識がなくなったり、これでは行けないと思いながら、日々増える受注に追われて手が打てませんでした。
更に、事務所が大日本スクリーンの子会社が入っているビルの中にいるため、自分達も身分を保証された社員と勘違いが始まったのです。


▼ 勘違い解消まで長い月日

新規顧客が増え忙しい=儲かっている=安心・・と勘違いが続きました。
一年近くたった12月のボーナスが出せなかったことで、勘違い解消がスタート出来ました。
大日本スクリーンの子会社の様に数ヶ月のボーナスを期待していた人もいました。
その頃から、社員に会社の業績を出来るだけ多く伝える様にしました。
会社の将来を悲観して、去って行く社員もいましたが・・
やっと、商売って甘くない、お客様は神様の言葉がわかり始めたのです。


▼ なぜ利益が出ない

新規顧客が増える、でも利益が出ない。
社内では、日々の業務処理が追いつかないので、人を採用する。
営業では、顧客紹介や引き合いが入って来るので、人を採用する。
採用した人が力を発揮しないので、人を採用する。
人の悪循環から累積赤字が膨らんで行きました。


▼ 人は採用しない

去っていく社員がいても補充採用を辞めました。
正しく言えば、1%でも気になるところがある人は新規採用しない事にしました。
仕事に慣れて来たこともあると思うのですが、少ない人員でも仕事は廻るものです。

そんなことを繰り返しながら、悪戦苦闘をしていると…

ある日、事業の神様がやってきました!
次回は、その神様をご紹介します。

Written by 植木 力株式会社カスタネット 代表取締役)